AIに任せてはいけないのは、高影響な判断、本人確認、法律・医療・金融の最終判断、公開・削除、支払い、個人情報の取り扱い、セキュリティ変更、緊急対応です。これらは「人間が主体」とし、AIは下書きや選択肢の提示にとどめます。AGENT WORKBENCHでは、その線引きをカードの役割(HUMAN)として設計できます。
高影響な判断
結果が取り返しつかない、あるいは多くの人に影響する判断は人間が持ちます。AIは選択肢を出し、人間が決めます。
本人確認
誰であるかの確認(身分証・認証・署名)は人間が担います。AIに任せるとなりすましや誤認のリスクがあります。
法律・医療・金融の最終判断
法的効力、診断、投資助言などの最終判断は、資格を持つ人間が責任を持ちます。AIは情報整理や下書きにとどめ、専門家の判断を代行しません。EU AI法も高リスク領域に人間監視を要件化しています[1]。
公開・削除
一度公開した情報は広く残り、削除も完全にはいかない場合があります。公開・削除の判断は人間(HUMAN)が行います。
支払い
お金の移動を伴う操作は、人の承認なしに実行してはいけません。予算の範囲と承認を分けます。
個人情報
個人を特定できる情報の収集・利用・提供は、目的と同意を人間が管理します。AIへ渡す際は必要最小限に絞ります。
セキュリティ変更
権限の付与・設定の変更・公開範囲の操作は、誤ると全体へ影響します。人間の承認(approval gate)を置きます。NIST SSDFも安全な変更管理を求めています[2]。
AI支援として使える範囲
- 下書き・たたき台の作成
- 選択肢の列挙と整理
- 事実確認の補助(出典提示)
- 要約・分類・表形式への整形
- リスクの洗い出し(案)
人間主体の範囲
- 最終判断と承認
- 責任の所在の明記
- 公開・削除・支払いの実行
- 本人確認と認証
- 専門的助言の署名
判断表
| 作業 | AI | HUMAN | SHARED |
|---|---|---|---|
| 記事の下書き | ● | 仕上げ | |
| 法的・医療・金融の最終判断 | ● | ||
| 公開・削除 | ● | ||
| 支払い | ● | ||
| 本人確認 | ● | ||
| セキュリティ変更 | ● | ||
| リスク洗い出し(案) | ● | 確認 | |
| 要約・分類 | ● | 利用 |
具体例
例1:契約書のレビュー
AIは条項の要約と抜け穴の候補を出します。最終判断と署名は人間(法務)が行います。
例2:健康情報の整理
AIは情報を整理しますが、診断や服薬判断は医療従事者が行います。
例3:経費の支払い
AIは明細を集計します。支払いの実行は承認を得た人間が行います。
FAQ
- 「AIに任せてはいけない」は絶対ですか?
- 資格や責任が伴う最終判断は人間が持つ、という運用ルールです。AIが下書きを助けるのは問題ありません。
- 下書きならどこまでOK?
- 事実確認可能な範囲のたたき台なら十分に有効です。重要なのは「最終判断を人間がする」ことです。
- 個人情報をAIに入力してもいい?
- 必要最小限に絞り、同意と目的を人間が管理します。機微なものは避けるのが安全です。
- 緊急時はAIを使わない?
- 人の安全が優先です。AIは補助にとどめ、人間が即座に対応します。
- この線引きをツールで設計できる?
- はい。AGENT WORKBENCHで各カードの役割を HUMAN に設定できます。
ツールで設計する
参考資料
- Regulation (EU) 2024/1689 (AI Act) — EUR-Lex 原文を確認 確認日:2026-07-13
- Secure Software Development Framework (SP 800-218) — NIST 原文を確認 確認日:2026-07-13
- OECD AI Principles — OECD 原文を確認 確認日:2026-07-13
- AI Risk Management Framework (AI RMF 1.0) — NIST 原文を確認 確認日:2026-07-13
- AIエージェントのリスクガイド
- 承認ゲートのガイド
最終確認日:2026-07-13